[Kaiband]レコード盤ガイド

1974年〜1990年にかけて製造された甲斐バンドのレコード盤について解説しています。

東芝盤の送り溝の読み方


<お願い>

送り溝につきましては、Twitterを中心に多くの方のご協力によって、事実→仮説→検証という形で研究を進めています。

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<基本的な送り溝のパターン>

ETP-10700-A 1S2  8 〄 0-3T
ETP-10700-B 1S2 11 〄

ETP-10700がレコードの規格番号を示しています。

1S2は、最初の1Sがラッカー番号を示し、続く2がマザー番号を示しています。

その後ろの8や11はスタンパー番号を示しています。

マザー番号が1の場合は、数字での表記は行わず1Sのみとなります。つまり1S1という表記はありません。

また、海外でカッティングを行い、原盤を日本に持ち帰った場合はSではなくL表記になります。

〄に続く0-3TはPMと呼ばれる製造年月を示す記号です。

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0-3Tの場合80年3月プレス(製造)を示します。通常は0-3のように表記されますが、東芝の自社工場以外でプレスされた場合には工場を示す記号が続きます。Tは東洋化成の工場を示しています。

以下、読み方をまとめておきます。

<製造年の読み方>
0 80年
1 81年
2 82年
3 83年
4 74年または84年
5 75年または85年
6 76年または86年
7 77年または87年
8 78年または88年
9 79年または89年

<製造月の読み方>
1 1月
2 2月
3 3月
4 4月
5 5月
6 6月
7 7月
8 8月
9 9月
X 10月
Y 11月
Z 12月

<PMに続く記号の読み方>
T 東洋化成
KやWやG 東芝川口工場(確証はありませんが、そう考えています)

<マトSに続くMについて>
稀に1SMのような形でSの後ろにMがつくことがあります。これに関してはコピーシェルではないかと考え、現在も調査を継続しています。